フェールセーフ
工業製品においては保安部位に関してフェールセーフの考え方で処置がされています。
自動車のステアリング機構においては、ステアーバイワイヤーの回路の二重化などがフェールセーフと
されています。しかし、基本原理的に見た場合、かじ取り装置はボールジョイントを介しての結合を余儀なくされています。
ここへのフェールセーフの適用は不可能で、ボールジョイントのみの信頼性に依存しています。
無給脂型は現在デファクトスタンダードですが、脆弱性を内包しているため、日本の整備士から嫌われています。
ボールを内包するラバーブーツのシールリップからの水の侵入の危険性があって整備担当者は給脂への変更を要望することが
あるようです。
無給脂型においても、リップ形状の改善などの対応策が進められています。
それでも徹底的な整備がなければ安全性は保障されません。
現在、日本のトラックは充実した整備によって安全性が保障されていると思います。
品質
シャシーの設計責任者をしていた時、市場からの不具合情報の処理に頭を悩ませていました。
品質工学との出会いがそのころあり、これによって市場不具合に対処できるのかと思っていました。
結論から言うと品質工学は、開発の初期から製品のロバスト性を希求するもので市場で起きた不具合の対策ツールでは
ありません。その辺の誤解が開発サイドによくあって個々の品質問題に対して適用を試みようとしていることもあります。
開発の現場では一般的に余裕があまりなく、対処療法として品質工学を考えている例が見られます。
本来は製品開発の初期から適用するべきです。
品質工学=タグチメソッドはアメリカから適用されてきた経緯があります。
私がアメリカに駐在していたころ、アメリカの大手自動車会社のエンジニアから
Do you know Mr.Taguchi?という質問を突然受けたのを覚えています。
その時はなんのことかわからなかったのを覚えています。
当時のアメリカでTaguchi methodが有名であったのではと推察します。
現在、品質工学会からも脱退しておりますので、その方面の情報に接する機会がなくなっておりますが、現在も活発に活動されていることを
期待しています。
アドブルー
石油輸入障害の影響を受けてアドブルー不足が問題になっています。
かつて大手の国際的なトラックグループで働いていた折、ドイツで燃料タンク関係のエ
ンジニアのグループの会議に出たときアドブルーも問題の一つとなっていました。
これの取り扱いは意外と面倒で、凍結の防止などにも神経を使う必要があり、ヒーター
装置をも必要としています。
この原理は尿素を排出ガスに噴射することによってNOXをH2OとN2にするという根源的な
排出ガス処理処理技術で世界に普及しています。
排出ガス対策で、ヨーロッパを中心とした技術で
EURO 6. というガス規制に定められていて米欧中国日本で法規制されています。
トランプ大統領はバイデン政権が進めた地球温暖化対策などにことごとく違を唱え化石燃
料によるガスの排出規制に反対のようですが、アドブルーにはまだ気づいていないようです。
これに関する不正は比較的容易に起こりそうな気がしますが
中国でも今のところまだ大きな話題になっていないようです。
建前的には法に厳格に従っているということのようですが、複雑なディバイスをめぐって裏口が必ずあると思います。
中国
15年ほど前に、中国の会社と顧問契約して業務に携わっていた経験があります。
その後も、ベンチャー企業、トラック製造会社と契約して2020年まで何らかの付き合いがありました。
現在かの国はアメリカをもしのぐ勢いといわれています。
ここ5~6年はお付き合いがありません。
現在、中国は偉大な存在と言われています。
正直私には実感がありません。
ちょっと前の記憶では、官僚主義的な国営企業の幹部の能力がお世辞にも高いとは言えず、わいろが横行しているような
感じで、技術的にも優れているとはとても言えない状況でした。今は大幅に改善されているのでしょうか?。
技術は欧州のサプライヤーに過度に依存している状況でした。
たとえばトラックでは、ボルボの樹脂製の部品を鋳物に勝手に置き換えた試験してたりしておりました。おそらく、形だけマネしても
強度上の問題が発生すると思いました。まさか製品化はしていないのを願っていますが。
結果は確認していませんが、かなり荒っぽいひとりよがりの設計をしていたと思います。
このように?付きの事案が多々あり、技術指導以前の状態でした。
コロナまん延のためすぐに帰国しましたのは2020年ごろでした。
今は先進工業国に脱皮しているでしょうか?
工学の学習
教育というものは奥が深いものです。
工学においては、何をもって理解したといえるか
ということを考えました。
概念の完全な理解ということでいえば、理論を把握した後練習問題で確認するということが
通常行われています。公式は文献に記述されているので、全部は覚える必要はありません。
実作業においての実践を考えると、おのおのの問題を解決できればよいというのが一般的です。
解析ソフトがあれば後は変数を代入するだけでよいことになります。
しかし、AIによる自動設計だけでよいかは議論のあるところです。
背景を理解せず、ソフトに依存することは、誤情報に気づかず、重大な誤りを犯す危険性があります。
教育においては、計算式の暗記と問題解決への応用のトレーニングでは過不足が発生しているような気がします。
本質を理解するうえでは全く新しい教育プログラムが必要と思います。
海洋大学ではいまでも帆船での航海が義務づけられていると思います。
同様に、工学においても本質を習得するための実践的な教育が必要ではと思います。
実習を充実させるなどがすでに実施されていますが、さらに新しいアイディアが求められています。
