EV
自動車の電動化はもっと早く促進されると思われていましたが、現在中国以外ではやや減速状態と言われています。
様々な問題が指摘されていますが、高コスト、長い充電時間 のほかに感電の危険性の問題があると思います。
非常に高電圧のバッテリーを搭載していますので接触感電の危険性が避けられません。
整備時、サービスプラグをはずせば安全が保障されているものの、完全ではありません。
日本においては。整備性を重視する傾向があるため、手放しでEV全面推進とはいかなかったのではと思います。
整備士だけでなくユーザー教育も徹底する必要があるのではと思います。
慎重すぎて世界の潮流から遅れるとの指摘もありそうですが、私は時間をかけて慎重にEV化を
勧める方がよいように思います。
ビルトインスタビライザー
国の財政において、景気変動を緩和するように作用するという意味のビルトインスタビライザーという言葉があります。
このことと自動車のスタビライザーの関係はわかりませんが、同様の効果を期待していると思います。
国産の電気自動車を分解調査したとき、フロントのスタビライザーが複雑に配置されて整備性を悪化させているのではと思いました。
私もかつて、自動車の設計において、サスペンションの設計の最後にスタビライザーの配置の計画を余儀なくされたとき苦労したことがあります。
かたいメインスプリングの場合、スタビライザーは省略できるかもわかりませんが、乗り心地とロール剛性を両立するためには
必須のアイテムですが、どうしても後回しになりがちの部品です。設計の初期段階で計画を開始すれば最適化ができたのではないかというのが
ある国産の電気自動車分解時の感想です。
サスペンション
先日サスペンションとは何かという大雑把なレクチャーをする羽目となりました。
短時間で初学者に説明するという目的です。
大雑把に述べれば、路面からの衝撃の緩衝とタイヤの路面への押し付け力を制御する機能と
いう二つの役割とまとめました。
もっと具体的な説明としては、ばねのリンケージ構造のことや
progressive ratingをどう実現するか、ダンパー機能とどう複合するかも大事な項目ですが省略しました。
エアサスペンションが無負荷状態から定格負荷状態までの無駄なストロークを不要とする上で望ましいのですが
外部のエアソースを必要とするなどコスト面での不都合があり、一般化できません。
コストと性能が両立するブレークスルーが出現することを期待したいと思います。
複合機能
一つのコンポーネントに複数の機能を持たせることは複合機能と呼ばれています。
これは従来の常識では避けた方がよいとされています。
例えば、サスペンションを例に挙げると上下方向の緩衝のためのばね系は左右の間隔を開けると車体のロールに対する
反力を生む装置とも考えられます。
この値はロール剛性と言い、一般的には大きい値が望ましい。
ところが上下のばね定数は小さい方が路面からの衝撃を回避するうえで望ましい。
スタビライザーはシャシーのメインのばねとは別に設けられています。
シャシーのばねとアブソーバーのみの系は複合機能の系です。
ロールに対して別の装置をスタビライザーとして設定することで複合機能が避けられます。
設計の近代化とは複合機能から別機能別部品化とするとされてきました。
歴史上、比較的新しいサスペンション構造として、マクファーソンストラットというものが大衆車で
主流となっています。これは典型的な複合機能です。
ダンパー機能と転舵軸機能の統合にほかなりません。
この方式は現在十分な市民権を得ているようです。
おそらくコスト的に有利な面が強調されているものと思います。
商用車系にはストラットの構造上弱点があるため、採用例はありません。
ただ世界一の生産量を誇る日本の乗用車メーカーでは、質量が大きい高級車にも採用されています。
複合機能に関するこれまでのセオリーの是非が問われるかもしれません。
トラックのフレーム
メーカー勤務時代、担当した時間が長かったのに題記の部品がありました。
これは歴史上、しばしば品質上の問題が発生しました。
かなり昔のことですが、1980年代に中国向けの大型トラックで強度問題が発生し、中国当局に多額の賠償金を
とられたということがありました。
このころは実際に担当してはいませんでしたが、その後のフレームの形態が変わりました。
簡単に言えば、サイドレールとクロスメンバーの締結にサイドレールのフランジ面を使用することを避け
サイドレールの竪壁部(ウエブ面)のみに変更しました。
車体がねじり入力を受けたときに締結部の応力集中を避けるのに適した構造にしました。
フレームは、主に上下負荷に対して適した構造ですが、悪路走行時などでのねじり変形に対して脆弱性を有しています。
当時の中国は現在とは違って道路状況が非常に悪く、とんでもない悪路がありました。
そこに当時の先進国日本の高性能エンジンを投入したため、高速走行時にフレームが損傷したということです。
当時から小型トラックのキャンターは欧米流のフレーム結合構造を採用していましたのでフレームは頑強でした。
このことを機に全車のフレーム構造をウエブ締結に変更しました。
時代が進んで最近に大型トラックのハブの破損が問題化しました。
これはフロントラジアルタイヤにかかる横方向の力が原因であることは明らかです。
時代とともに部品が進化するのに伴ってその影響を受けるほかの部位が必ずあります。
ちこちゃんに叱られるような設計者がぼーっとしていればこのようなリコールを繰り返すことになります。
設計の後輩の奮起に期待したいものです。
