お知らせ

2021-01-08 11:38:00
4bagエアサスペンション

大型トラックのリヤサスペンションにおいてエアスプリングが主流になりつつある。

以前は2bagエアサスが主流であったが現在4bagへの移行が進みつつある。

違いはアクスルのワインドアップを抑制する特性のある4bagにたいして2bagは機能上それができないことである。この機能がコストアップを伴うにもかかわらず評価されたと考える。

SAEマニュアルには4bagがエアサス記述されていないのは米国ではそれほど普及していないのかマニュアル化が遅れているだけなのか不明である。米国ではファイヤーストーンが企業としてのマニュアルを充実させているもののそれは単体の特性であってシステムの特性は記述していない。

米国のブレーキ、ステアリングやその他のトラック部品のサプライヤーに昔日の勢いがなく、欧州のメーカーに統合される例をよく見るのは米国ではトラックのシャシー部品は技術革新が一巡しておりコモディティー化した商品はコスト競争にさらされ、低コストの商品開発に苦手な米国企業が苦境下にあると推察される。欧州企業は米国の企業を傘下に収め規模の効果と中国などの市場に対するブランド力で事業を維持していると思われる。

中国のサプライヤーはまだ未熟でそれに代わる能力がないと思われる。ただし国内市場が旺盛でOEMに活力があるので廉価で信頼性のある商品が開発できれば伸長する可能性がある。

日本のサプライヤーはBSがファイヤーストーンを通してエアスプリングでグローバル展開している例以外は存在感が乏しいのは日本のトラックメーカーの生産量が海外に比べて非常に小さいことによると思われる。中国OEMなどへの販売拡大には一時意欲的ではあったが現在はコロナ禍の中でもあり積極的な活動は聞かれない。

2021-01-06 14:28:00

自動車は直進での運用頻度が大きく、ハンドホイールを大きく操作する頻度が少ないので常時油圧を必要としないにもかかわらず従来のポンプではエンジン回転に比例してポンプが回転するため不必要なオイル還流による無駄なエネルギー消費が発生していた。

このエネルギー消費は無駄である。この課題に対して油圧発生装置としてのベーンポンプのブレードの回転中心を円筒のガイドに対して偏心させる方式にしてその回転中心を移動させて流量を制御する可変容量ポンプが実用化されている。

中国と米国の複数のOEMにこの技術を紹介した。

燃費低減は世界的な課題であるため関心は高く米国では採用する方向での検討がなされた。

2021-01-05 19:59:00

北米では18000Lbs(約8.1トン)以下のトラックのブレーキに従来から

ハイドロブースターという、失陥時バックアップ装備のオール油圧のブレーキシステムを採用している。

これは乗用車のようなバキュームアシストではなくパワーステアリング用の油圧ポンプをアシスト力発生のために使用している。

日本でもGVW7.5トンクラスの小型車由来の中型車に1990年代から使用し始めた。

一方、これとは違って日本の伝統的な中型車はエアーオーバーハイドロリックというエアアシストの油圧ブレーキを装備している。

米国人的な発想によるとヨーロッパ由来の複雑な混合システムではなくフルエアーかオール油圧かどちらかにするべきでエアーオーバーなどというものは不合理とのことである。

ハイドロブースター装置の不安点はパワーステアリングとブレーキを同時に作動したとき油圧能力が一時的に不足するかもということであった。市場ではおそらく非常に特殊なハンドホイール急作動時にブレーキをかけた場合に操舵が少し重くなるというような苦情があったと聞いているがこれはレアケースではないかと思う。

2021-01-04 11:07:00
高張力鋼板

軽量化技術として材料メーカーがしのぎを削っています。

従来の鉄に代わってアルミニウムとか樹脂を使用した提案があるなかで

鉄鋼メーカも高張力鋼板へのシナリオがあるようです。

トラックのフレームでは従来550MPa級の材料に集約されてきましたが、技術革新によって

さらに高応力に耐える材料が提案されています。

薄板化などによって軽量化して力の入力に対して応力が増えても材料強度がアップするので

破損しないというシナリオです。

ところがトラックのフレームは曲げやねじりに強度的に耐えなければならないのですが、一方で剛性を落とすわけにはいかない事情があります。フレームの剛性を落とした場合、架装物の耐久性に影響を与える場合があります。

大きく変形した場合静止状態での尻ダレやねじれの発生の恐れがあり、顧客からの苦情につながることもあります。

たとえ大応力に耐えても剛性をある一定の値に保持する必要があります。

したがって高強度材に変更して軽量化を単純に狙えない事情もあります。

トラックのフレームの基本的な考え方は不規則な巨大入力に対して腕力で対抗するのではなくある程度受け身でしなやかに対抗するということですが単純に高強度材を使えばよいというものでもありません。

ただし高強度材のコストがそれほど上がらなければ軽量化ではなく信頼性向上のためには有効な手段です。

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