2021-01-04 11:07:00
軽量化技術として材料メーカーがしのぎを削っています。
従来の鉄に代わってアルミニウムとか樹脂を使用した提案があるなかで
鉄鋼メーカも高張力鋼板へのシナリオがあるようです。
トラックのフレームでは従来550MPa級の材料に集約されてきましたが、技術革新によって
さらに高応力に耐える材料が提案されています。
薄板化などによって軽量化して力の入力に対して応力が増えても材料強度がアップするので
破損しないというシナリオです。
ところがトラックのフレームは曲げやねじりに強度的に耐えなければならないのですが、一方で剛性を落とすわけにはいかない事情があります。フレームの剛性を落とした場合、架装物の耐久性に影響を与える場合があります。
大きく変形した場合静止状態での尻ダレやねじれの発生の恐れがあり、顧客からの苦情につながることもあります。
たとえ大応力に耐えても剛性をある一定の値に保持する必要があります。
したがって高強度材に変更して軽量化を単純に狙えない事情もあります。
トラックのフレームの基本的な考え方は不規則な巨大入力に対して腕力で対抗するのではなくある程度受け身でしなやかに対抗するということですが単純に高強度材を使えばよいというものでもありません。
ただし高強度材のコストがそれほど上がらなければ軽量化ではなく信頼性向上のためには有効な手段です。