2021-01-19 20:29:00
キャビンのチルト中心周りの慣性モーメントの違いによって大型中型小型のそれぞれのキャブオーバートラックの機構が異なる。
大型は油圧シリンダーで持ち上げる方式に対して中型は2本のトーションバーと左右のフレームに設置されたアンカーを中心とした捩りモーメント反力によって持ち上げる方式をとる。
小型はトーションバー1本を用いてステアリングギヤと反対側のフレーム上に設置されたアンカー中心の反力モーメントをパイプに伝えてそれに溶接されたブラケットをキャブのアンダーフレームに固定させた構造をとっている。
この方式はフレームの一方に大きなねじりモーメントを生じる。この結果、車体の左右傾斜につながり、リーフサスペンション仕様で通常のCチャンネルフレームの場合この傾向が顕著になる。
ボックスフレームもしくはIFS車では問題化していない。
中型は左右が均衡しているので問題化していない。
大型のキャブエアサスペンション仕様ではチルトが構造上2段階となる。最後のアクションでキャブが急速にチルトする現象がある。これを防止する策が必要である。一つはキャブの自然落下(チルトの最終段階)に抵抗を設ける方法もあるがスマートにはチルトシリンダーの方向を変えて最後までチルトシリンダーでコントロールする方法もある。