お知らせ

2020-12-28 22:16:00

世界的に展開したトラック製造グループではその規模の増大を利益に結びつけようとします。

その手段としてグローバル企業化した企業の海外の幹部が考えることは部品を世界的なサプライヤーに集約して一部品あたりのボリュームを増やす戦略です。部品のジャイアンツはブレーキ関係部品はヨーロッパ勢が支配的です。ステアリングシステムはZFやTRWに対してローカル企業が価格面での競争力を維持しており日本勢がまだ国内市場を制しています。エアサス以外のサスペンションはヘンドリクソンなどの米国勢勢はいますが日本市場への浸透意欲がなくローカル勢が優勢です。エアサスペンションは日本勢は見る影もなく欧米勢のものです。フレームは欧米勢に日本での供給体制がなく浸透が難しいようです。エンジンの燃料噴射装置はDENSOがグローバル勢の一員ですので海外勢を凌駕している状況でしょう。小物部品のナイロンチューブやワンタッチコネクターや尿素噴射システムなどは海外勢が優勢です。まとめますと、コストのマジョリティーを占める部品を全てグローバル企業にすることは時期尚早ということであるといえます。設計自体を欧州と統一したいという欲求が欧州の幹部にありましたが、欧州の大型トラックの形態がトラクタートレーラーが主体であるのに対して日本ではその形態の普及が狭い国土のためにできずフレームなどの構造部品の統一が非常に困難な状況です。一方欧米間の共通化の最大の障害はキャブの形態がキャブオーバーという欧州型とボンネットを有するコンベンショナル型が必須の米国との違いです。VOLVOは苦労しながらもできるだけの共通化を図っています。日本はシャシー形態がの違いが足かせとなって共通化がなかなか寿司まない状況です。ホイールベースを長めに設定せざるを得ないストレートトラックと短ホイールベースのトラクターでは最適なフレームの断面形状が違い、統一は困難です。一種類の数を増やしてコストを低減するという狙いは必ずしも正解ではなかったといえます。キャブを取り巻く状況も欧州と日本では違い、もし数の多い欧州のキャブに統一したとすると狭くて高いキャブで国内のデファクトスタンダードである広くて低いキャブとの競合がむずくしくなります。