2020-12-24 09:59:00
車両の設計の強度上の妥当性を最終確認する必要は大手OEM新興ベンチャー企業を問わず必要なことです。そのメーカーの顧客の使用状況を予測してある条件を設定し、量産可否を判定する必要があリます。この条件はOEMの最高級の社外秘であるべきものです。日本と欧州のOEMは社内に独自の耐久コースを設定することが多いと思われますが、米国では外部の施設を活用することが多いようです。中国では国営のテストコースを活用している例もありますが最近は施設内に独自のコースを設置する傾向があります。社内に独自のコースを設定する場合は想定する市場の悪路に似せた悪路を設置します。問題は市場の長い耐用年数を短い走行距離で再現しなければならず市場より厳しい入力を必要とします。
テストコース内に石畳路やうねリ路を設置してその組み合わせで試験条件をデザインするのが通常です。この辺のサジ加減は必ずしも論理的にゆかないものと想像します。長年かけて市場不具合情報との相関を解析しながら決定するものと思います。
これを台上試験で代替することはOEMにとって工数削減の意味から目指すべきものです。
以前アメリカの台上試験装置メーカーを訪問しました。当時はテストコースの実車での加速度データーを台上試験条件に変換する技術を誇示していました。多くの顧客の使用状況をどう統計的に把握するかという問題は残ります。やはり市場情報から決めるしかないと思います。この情報の蓄積が歴史のあるOEMの実力を示し新興勢力との差が出るところです。中国では大学発のベンチャーが試験全般を請け負うというビジネスモデルを提供して数多の振興の富裕層が自動車ビジネスに参入するのを可能にしているようです。