お知らせ

2020-12-22 12:06:00
商用車

商用車を概念づけるために車両総重量(GVW)をパラメーターとして分類するのが便利なようである。

GVWは物流の歴史的な背景とそれに関わる法規規定によって分類される。

3.5トンというのが一つの基準である。概ねそれ以上がトラック、それ未満が乗用車の流れを汲むと考えられる。乗用車の流れを汲むものはミニバンと呼称されることが多い。バリエーションに人員輸送車と履流車の両方を持つものである。中国でのヒット商品はGMの合弁企業である上海通用五菱の宝駿というブランドの物流車が有名である。一般的にフロントサスペンションはMacpherson Strutを頑固に使用しているタイプとDouble Wishboneとしているタイプがある。リヤは廉価仕様ではToesion-Beam方式を頑張って使用しているタイプとちょっとお金をかけてMulti-Linkにしているものがある。一方トラックの流れを汲むものの代表格はダイムラーのスプリンターである。フロントはMacpherson-Strut 横置き樹脂リーフスプリング リヤはリジッドアクスルで1枚構成の樹脂リーフスプリングを前傾させてAxle-Understeerとしている。

新しい駆動系を使った新規の開発車を中国で商品化したいという計画がしばしば持ち上がるが、この場合売れ筋の車種として宝駿のような商用車ということになる場合が多い。車両の操縦安定性を維持するためにはこのジャンルの車両は一般的に難しい。その理由は①高重心②後輪は重量バランスからダブルタイヤとすべきところ、タイヤのローテーションに有利な後輪シングルタイヤの要求 ③ 空積の荷重差が大きいのでシャシバネ定数の可変対応できれば良いが差が大きい場合 トラックのようなcab suspensionを使いたいところだが運転席と荷室が一体のためそれが困難

従って理想的には電子制御の助けが必要と思われる。一方コストの制限が厳しいため商品化には苦労が多い。安易に手を出して失敗する恐れが十分ある。