2020-12-21 11:20:00
シャシーの構造強度評価をモデル化したデータに入力を加えた時の変位をFEMで解析する手法は世界中で行われている。このモデル化が不正確である場合解析が導く結果の信用性が疑われることもままある。解析の対象が部分的であるので対象外の構造との境界条件に関する人為的な仮定が不正確である場合や入力の大きさと方向の組み合わせが実態から乖離していることなどが原因である。このためある大手のOEMの解析チームは一部切り出しモデルの使用を禁じていた。また、モデルとばらつきを持つ実体の違いから応力集中を見誤り実体の破損を予知できないこともある。CAEを徹底して将来実験不要の開発をするという夢が語られることやベンチャー企業がCAEを過信して試験を省略しようなどと考えがちであるが、CAEを開発プロセスで活用するためにはあらかじめ実験結果との相関性を熟知する必要がある。