2020-12-20 17:20:00
トラックの設計チームにおいては、主要なコンポーネントの設計及び維持管理よりもその周辺の様々な付帯部品の種類の管理であリこれに要する工数が頭の痛い問題である、
付帯部品には小物のブラケットや電線、パイプ類 ホース類がある。
オプション部品が複雑に構成されていて,その組み合わせや両立性の有無などが絡み合って収拾のつかない状況になっている事がある。欧州ではこのパズルに取り組むのは若い技術者であり日本では設計外注の会社のようである。コロナ禍ではエッセンシャルワーカーに皺寄せが行っているような状況がトラックの設計でもあると言える。付加価値が低いと思われているのに手間が異常にかかるいわゆる汚れ仕事と位置付けられているためモチベーションの維持が難しく作業者の定着率も低い傾向がある。
トラック業界は寡頭競争に晒されていて利益率が低く、顧客確保のために多岐のバリエーションを揃えて満足度を得る努力に しのぎを削っている。このことがこの問題の背景である。
モジュール設計というのはボルボやフォードが熱心に提唱してきた設計の概念である。中間的な共通の塊を作ってそれを組み合わせられるようにあらかじめ設計しておくことによって、全体の種類は多岐にわたる顧客の要望に答えながら、それぞれのモジュールは数種類しか持たないということが理論上可能という理念である。
別の章で論じたフレームのグリッドパターンもその一環である。
開発マネージメントの大きな課題と言える。