2020-12-17 15:52:00
トラックのサイドレールには様々な用途の小穴が必要である。
また、トラックには様々な用途があり必要な穴の種類が多い。
大型トラックは従来フレーム付きのシャシー状態で工場から出荷されることがほとんどで一般的にはユーザーに渡る前の中間状態がトラックメーカーの製品である。
この中間状態に対して架装メーカーが様々な架装を施す。架装要領書で注意時事項を規定しているが時には不適切な架装によってフレームに亀裂などの不具合が発生することがある。
フレームの亀裂不具合の原因は様々であるがトラックメーカーは極度にそれを恐れる傾向がある。
恐れるあまり昔から設計においてサイドレールに捨て穴を残すななどという掟を設定することがある。
捨て穴とは締結に使用されないで種類削減のために余分に空いている穴で理論的には応力が集中する恐れがあるとされている穴のことである。
VOLVOやDAIMLERと提携した日本のトラックメーカーはグリッドパターンという考え方を導入した。
設計の初期段階で穴のパターンをあらかじめ決めておいて、詳細設計時にその中から使える穴を使い使わない穴はそのままにしておく方式である。
この処置のために設計の煩雑さが大いに軽減されたが、サイドレールウエブ面の捨て穴に応力集中が起きて破損したという事例はないと思う。