お知らせ

2020-12-07 21:16:00

日本や中国で新卒者中心の素人軍団にシャシーの基本設計を指導してきました。

事業所はMATLABなどのソフトは完備しているものの経験がないエンジニアしかいないことがよくあります。

開発の対象は物流車ということが多いようです。

機構の運動の基礎となるポイントを中国ではHARD POINTと読んでいますが、基本計画時点で定義する必要があります。

まず心がけるべきは物流車は比較的高重心で積車時の重心位置が後方に偏りがちであるということです。

この場合、タイヤのローテーションを重視して後輪をシングルタイヤとした場合操縦安定性を確保する方策をいかに講じるかということが第一のテーマです。

フロントサスペンションは最も安価なマクファーソンストラットを採用したいという例が多々あります。

一般的には商用車の前輪には横方向の入力にたいしてストラットの動きを抑制する恐れが多いため採用を避けますが、安価な先行例があるため採用せざるを得ないこともあります。

旋回外輪に対してToe outとなるようなレイアウトを採用します。

後輪ですがGVWが3.5tonを超える車両の場合リーフスプリングを採用するのが一般的で、MB SPRINTERなどは1枚の樹脂製リーフスプリングを採用しています。

ばね傾斜は大きく前スラントのレイアウトとします。

axle steer でUSを狙うためです。リヤを独立懸架とする必要がある場合、安価な車両ではトーションビームを採用する例が多いようです。

この場合Bushのたわみ(コンプライアンスステア)によりOS特性になる恐れがあります。

設計状態でこれをUSにする必要があり様々な試みが各社でなされています。

このへんが技術指導の要点です。