2020-11-29 16:25:00
ボールジョイントは直線力を伝達するために多用されているが近年メンテナンスフリー化のために無給脂化が進んできている。
これは整備を生業としている人々からは昔から評判が良くない。
従来の定期的な給脂作業が習慣化されていたためか無給脂に不安を覚えるということと思われる。
日本では特に整備に手間をかける傾向があって予防メンテナンスとしてこのような給脂をショップで頻繁に行うように習慣づけられている。
メンテナンス間の時間や走行距離が長い海外では事情がやや異なり無給脂技術が進んだ傾向がある。
無給脂のボールジョイントは廻りに樹脂製のベアリングで覆われていることが一般的であるがこれで回転運動や揺動運動をほぼフリクションレスで実現している。
ボールジョイントの軸はステアリングナックルとかピットマンアームなどに固定されておりボールケースはそれらと相対的に可動する部品に固定されている。
ボール部はグリースが封入されていてグリースはダストシールで覆われている。
ダストシールは相対的に変移するハード部品に沿う形で回転 揺動 に追随している。
この追随は寒冷地や過酷な走行時に持ちこたえられなくなる場合があり、隙間が発生して最悪時水が浸入する。グリースに水が入るとヤスリ状変質してボールをけずり機能不全に至らしめる。
保安部品においてこのような状態は危険である。
シャシー部品の一番の泣き所はここであると思われる。