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2024-11-28 22:37:00

ハブ

一時代前の話ですが、大型トラックの前輪が外れて坂道の下にいた主婦が不幸にも犠牲になった事故がありました。

それは、空飛ぶタイヤという小説になりました。

当時、私は被告の三菱ふそうのフレーム担当グループ長として勤務していました。

アクスルの設計担当者に対して警察の事情調査が行われましたが、警察の捜査方針が設計者ではなく会社の幹部の責任を

問うという方針の転換がなされたうようです。

問題の部位はハブという部品で、ホイールベアリングの外側の動体部分とホイールとの結合部が一体になった部品でした。

この結合方式は日本独特の方式であることがベンツのアドバイスで知りました。

ベンツの方式は胴部とフランジ部を別体にしてボルトでしっかり結合する形態でした。

ハブのフランジと胴部の結合箇所にはタイヤと地面から発生する横力が大きく作用して当該の部分の疲労

が発生します。不具合発生の当時はタイヤがラジアルタイヤへの変更機で従来の常識から大きく離れた入力が発生していました。

当時の試験標準では横力の作用を軽視していたためこのような不具合に陥ったと思われます。

この事故で会社の責任が大きく問われました。

開発部門の権威主義 事なかれ主義 が問われて然るべきです。

マネージャーの人選を誤まると会社を危機に貶める実例です。

周辺状況の変革期においては担当マネージャーの力量が大きくものを言います。

うまくいっていた時期の凡庸なマネージャーは変動に対しての対応が遅れがちです。

現在、バッテリーの革新の時期です。

自動車会社において、マネージャーの人選は会社の将来を

左右します。

心して人選をしていただきたいと思います。